くらし情報『争いの先にあるものは――。中島裕翔、柄本時生ら出演『ひげよ、さらば』開幕』

2023年9月11日 07:00

争いの先にあるものは――。中島裕翔、柄本時生ら出演『ひげよ、さらば』開幕

『ひげよ、さらば』より、(後ろ) 中島裕翔(前)柄本時生 撮影:加藤幸広

撮影:加藤幸広



上野瞭の傑作児童文学『ひげよ、さらば』を、蓬莱竜太の脚本・演出で舞台化。9月9日(土)、東京・PARCO劇場で初日の幕を開けた。そこでその前日に行われた、記者会見と公開ゲネプロの模様をレポートする。

記憶を失った猫《ヨゴロウザ》は、《片目》と名乗る猫に連れられナナツカマツカの丘に辿り着く。そこで暮らすのは、知識豊富な《学者猫》に、血統にこだわる《オトシダネ》。力自慢で乱暴者の《黒ひげ》に、ミステリアスな《星からきた猫》。さらにマタタビのやり過ぎで、年中酩酊状態の老猫《くずれ猫》など、個性的な猫ばかり。そこで片目は、犬との縄張り争いに対抗するため、ヨゴロウザをリーダーに担ぎ上げようとするが……。


猫と犬の架空の物語ではあるが、ここで起こるすべての出来事は、痛いほど人間――劇中の言い方をすれば二本足――の現実にそのまま当てはめることが出来る。自分たちのリーダーを決める際、それぞれの候補猫が、マイク片手に自らの主張を懸命にアピールするのは、選挙前に街中で見かけるあの光景。そして食糧問題に起因する猫と犬の縄張り争いは、世界中で繰り広げられている戦争そのものである。

児童文学ながら核心を突いたその原作について、蓬莱は「子供のころに読んだ時、ワクワクだけでなく、大人の社会の怖さも感じた」

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