2021年5月7日 17:00
吉田鋼太郎「全作品の中で一番素敵なラストシーンになる」シェイクスピア・シリーズ遂に完結!
撮影:HIRO KIMURA
1998年のスタート以来、芸術監督・蜷川幸雄のもと、シェイクスピア全37戯曲の完全上演を目指す「彩の国シェイクスピア・シリーズ」は、蜷川亡き後、2016年10月に二代目芸術監督・吉田鋼太郎が就任し、翌年12月に『アテネのタイモン』によって再開された。そのシリーズ最後の作品となる『終わりよければすべてよし』について、演出・出演の吉田鋼太郎に話を聞いた。
「なんとか希望を見出そうとしている人」はすごく美しい
――お稽古がスタートして、現時点で感じている手応えをお聞かせください。
『終わりよければすべてよし』は、シェイクスピア作品の中でもあまり上演されないものです。なぜかと言うと、不備な点があるとか、扱いづらいとか、終わり方がちょっと苦いとか、カタルシスがないとか、そういうことらしいのですが、実際に稽古をしてみて、ひょっとしたらこれは『ハムレット』と双璧の面白い芝居なんじゃないかと思い始めています。これはアピールでも宣伝でもなんでもなくてね。
――それはなぜですか?
この作品の主人公でもある(石原さとみ演じる)ヘレンは、自分の運命を自分の力で切り拓いていき、自分の思うような人生を手に入れるという人なんです。