2021年5月7日 17:00
吉田鋼太郎「全作品の中で一番素敵なラストシーンになる」シェイクスピア・シリーズ遂に完結!
そのパワー、その力強さ、そのひたむきさ、そして可憐さがとても魅力的で、その一言一言に、その行動に、目が釘付けになります。
『終わりよければすべてよし』メインビジュアル
――それをうかがうと、逆になぜこの作品が「問題劇」と言われているのかが気になります。
物語の序盤でヘレンは、(藤原竜也演じる)バートラムと結婚をするのですが、その結婚は王の権力によって決められたもので、バートラムはそれを拒否するんですよ。それでヘレンも一度は身を引くけれども、やっぱりバートラムが好き、自分のものにしたいと、ある策略をします。一言でいうと、バートラムをだましてベッドを共にする。それで妊娠するんですけど、え、それやっていいことなの!? って話じゃないですか。
それはちょっとダークな話なんじゃないの?と。そういう苦さがある芝居なんですよ。
ただそれは、裏を返せば非常に現実的なんですけどね。そこには夢も希望もないかもしれないけども。
――なるほど。
そういうこともあって、みんなこの芝居をどう解釈していいかわからなかったというところがある。でもそれは戯曲を“読んで”思うことであって、実際に稽古をしてみると、全然そうじゃないんです。