2022年9月29日 07:00
鈴村健一・梶裕貴が感じた理想「リアルから目を背けないエンターテインメントから社会を覗いてほしい」
今までとは異なるヤンの描き方
――さまざまな思惑が交錯し、どちらかというと、殺伐としている中で、ヤンとユリアンのシーンはほっこりとするものがあるように思います。
梶ヤンとユリアンはお互いにとって、あらためて、とても大きな存在だったんだなと。月並みな言葉にはなってしまいますけれど、きっと"離れてみて分かったこと"なんでしょうね。一番印象的だったのは、旅立っていくユリアンに対してヤンが声をかけてくれるシーン。2人の関係性を具体的な言葉で表すのは難しいんですけれど……間違いなく、お互いにとってかけがえのない、唯一無二の存在だということは言い切れるかと。
――ユリアンが軍人になるのをずっと反対していたヤンが。
梶いや、今だって反対という立場ではあると思います。それでもきっと、ユリアンのこれまでの努力や活躍をいろいろと鑑みて、最終的に送り出してくれたんでしょう。
辛い決断だったと思います。ユリアンを演じる僕からしても、複雑な思いがあるくらいですから。けれど、彼のある種の"大人として旅立ち"を認めてもらえたんだろうなと思うと、どこか誇らしくもありますね。その上で……ユリアン側もヤンの私生活を心配している、という点が、実に2人らしいバランスだなと(笑)。