2022年9月29日 07:00
鈴村健一・梶裕貴が感じた理想「リアルから目を背けないエンターテインメントから社会を覗いてほしい」
時代が変わっていく中で、たくさんの人が支持してくださっている作品の立ち位置が、微妙に変わってきていることを感じます。こういう作品って不変的なものだと思うんですけど、80年代に書かれた物語から、今の社会があまり変わっていないことが如実に分かるという部分は、何度も言いますけど、やっぱり皮肉ですね。
――確かに、今観ても、違和感がない、むしろ身近に感じる部分があります。
鈴村世の中でこういうことを変えたい、変わるべきだ、と思っている人はたくさんいると思うんですけど、自分たちで行動しづらい時代でもあると思います。銀英伝のキャラクターたちも、そういうふうに行動できずにいることを、「それでいいんだよ」と言ってくれているようでもあるし、「行動できる人はするべきだ」って言っているようでもあるし、いろんな捉え方ができるように作られていますよね。
別に説教臭く見てほしくはないんですけど、エンタメかつ、教科書的なところがあるんですよね。本物の教科書にはこういう部分ってないから、すごく意義があるような気がしています。エンターテインメントを通して社会を覗けるということで言うと、とてもすごい作品だな、と今回のシリーズは特に感じますね。