2023年2月17日 18:00
【八代亜紀インタビュー】「沖縄本土復帰50周年記念コンサート」では、お客さんが想像しないような曲も歌って驚かせちゃおうかな
みたいなどろどろの演歌でね。結果的にその曲はヒットに恵まれたんですけど、当時はパパがテレビで八代亜紀を見てると、後ろからママが「なによ!八代亜紀きらい!」ってテレビを消すと言われてたの。当時は悲しかったよ(笑)。
──いつの時代も、カメラの向こうにいる方たちはみんな自由ですしね。
でもね、どうでしょう。「おんな港町」のあたりから、奥さんたちが「亜紀ちゃんを応援する! 私たちの気持ちを歌ってくれてるんだ!」って応援してくれるようになったの。じっと耐えて待つ女性の歌が、多くの奥さんたちに響いたんですよね。だから私はそういう人たちのためにも、ちゃんと気持ちを代弁する歌をうたっていきたいと思ったし。
それをちゃんとステージで、生の歌声を聴いてもらうことを続けていこうと思ったんです。
──歌を届ける人としての役割を果たすという意識が、とても強いんですね。
代弁者だからね。たとえば自分に、「私がいなけりゃあなたも生きていけないのよ」みたいな経験があったら、歌えないですよ。ましてや捨てられて、耐えて、何年も待つなんていう経験の最中だったら、演歌なんて歌えませんから。途中で「帰ってきてー!」って言っちゃうからもしれないし、泣いちゃって歌えないね(笑)。