視界が広がる感覚を『セールスマンの死』長塚圭史×山内圭哉インタビュー
2年前はそれがすごく嫌だった。でもこれは、どんな平凡な男にも起こりうる物語。風間杜夫さんという俳優のもつ昭和のお父さん的なイメージや大衆性……その親しみやすさが『セールスマンの死』を身近に感じさせてくれているんじゃないかと思うようになってから、嫌ではなくなりました。風間さんが主役を演じていることで、観る人もこの作品を遠いアメリカの古い話ではなく、自分ごととして捉えられているんじゃないかと思います」(長塚)
「僕にとって風間さんは、稽古場で圧倒的なものを見せつけられた先輩俳優の一人です。2004年に『燃えよ剣』という作品でご一緒しているんです。そこで、風間さんは『セリフをセリフ通りに言うことはすごく大事なんだよ』ということを、体現しておられた。その姿勢は本当に衝撃で、僕にとっては風間さんはモンスターであり、師匠クラスの存在であり……。だから初演のときも緊張していましたけど、今はもっと親しく演じられるようになって、それが作品に対してすごくプラスに働いていると思いますね」(山内)
暗い物語のなかでも“光”も感じてもらえたら
2年前からこの作品に対峙しているふたりに、改めて名作の呼び声高い今作の魅力を聞いてみた。