「話芸の一番トップは古典落語、それを基本として新作を作る」柳家小ゑんインタビュー
幾つかあるんですけど、渋谷ジァン・ジァンで新作の落語をしたら、出始めはウケるんだけど、どんどんウケなくなっていくんですよ。「どうしてですかね」って圓丈師匠に言ったら「それは君、場面が多すぎる」と。「人間の頭の中は想像力の許容量があって、聴き手が追い付いていかないんだ。古典落語のよくできた噺はだいたい2~3場面だろ。君のは場面が多い。だからウケなくなってくるんだ」って言われて。「うわーっ、凄いな」と思いました。
──ぴあが動画配信という事業を立ち上げることをご提案した際に、どんな印象をお持ちになりましたか。
今までテレビの収録もありましたし、「DVDで」っていう話もあったけど、DVDは許諾していない。とにかく普通の落語会だとカメラがあるのはなんか嫌なんですよね。「楽屋の風景も録らしてくれ」となるとすごく嫌で。寄席でずっと録って、OK/OKじゃないっていうのを落語家がちゃんと言えるのでいい。よくテレビのとき、灯り(照明)も収録のときだけ点いて、録らない人は急に暗くなるのもちょっとな、と。それがないので「ぴあ落語ざんまい」は許諾しました。
──これからの落語について、そして担っていく若手の落語家さんに向けて、小ゑん師匠が託したい想いをお聞かせいただけますか。