2021年10月20日 12:00
本作のヒロインはなぜ観客を魅了するのか?主演女優の語る映画『ビルド・ア・ガール』
幸運にも他の興味や趣味もあるけど、“役者になりたい”という唯一無二の気持ちはずっとはっきりとしていた。そしてジョアンナもその“何か”がわかった瞬間、自分のもうひとつの側面が解き放たれ、そのことにフォーカスしていく。若い人のそういう資質って今まで映画で祝福されているのを観たことがなかったと思う」
『ビルド・ア・ガール』は他の映画とはちょっと違う
『ビルド・ア・ガール』
私にはやりたいことがある。私には進みたい道がある。そんな想いを胸に突き進む主人公の姿をフェルドスタインはテンション高く演じているが、同時に彼女のちょっとした感情の変化や置かれている立場を繊細な演技で表現していることも見逃せない。特に本作でフェルドスタインはセリフに頼ることなく“視線”のちょっとした動きや変化で、ジョアンナの内面を見事に描き出している。「シアーシャ・ローナンと『レディ・バード』で共演した時。彼女が“セリフはない方がいい”って言っていたのをよく覚えてる。
演劇出身の私からするとそれは本当に興味深い言葉だった。舞台だと場合によっては遠く離れた席に座っている人には表情が見えないから、セリフはコミュニケーションのツールになる。