2022年2月7日 17:30
古川雄大×谷賢一インタビュー 新感覚の舞台で、「言葉の迷宮」の虜になって
この時はあえて笑っているんじゃないか、この時はめちゃくちゃ怒っているんじゃないか、でも怒りながら自分の境遇を悲しんでいるんじゃないか……というふうにひとつずつ掘り下げていくと、本当に複雑な役だということがわかる。なので、人物像をひとことで……というのは、今回はなかなか難しいですね。
谷言葉で攻撃し、言葉を盾にして、自分をどんどん隠している人だと思うんですけど、本質としてはとてもピュアで、ものすごく弱い人間なんだろうなと感じています。観客の方々もそれぞれにいろんな想像をして、いろんな風にシラノを見ると思うんです。最終的に彼は何だったんだ!? ってことも、正直まだ自分でもわからなくて。ひとつの答えに決めるべきなのか、決められるものなのか……、ちょっとまだ考えているところです。
谷また、お客さんに対するなぞなぞみたいなところもあるだろうなと。台詞って、全部本当のことを言っているとは限らないんですよね。
その人が虚勢を張っていたり、嘘をついていたり、隠していたりしてしゃべっていることもあるし。とくに今回のシラノは、古川さんも言ったように「これが本音だ」ということをしゃべるシーンがすごく少ない。