稲垣吾郎インタビュー「40代はどう生きていくのかを考える重要な時期」 『No.9 ―不滅の旋律ー』再々演にむけて
と変化を自らは意識しない。それでもおのずと「お客さんの目に映るもの、感じるものは確実に違うものになるはず」という確信がある。“座長”という立場へのスタンスも「(意識することは)全くない。全く座長っぽくないです(笑)」と変わらないし、カンパニーへの信頼も揺らぐことはない。
「僕、意外と人見知りで、ダメなんですよ。恥ずかしくなっちゃう(苦笑)。ベタベタした関係も好きじゃないし、芸能人としてもずっとそういう感じでやってきてる。僕はこの作品では中心で暴れている“ゴジラ”ですからね。
周りの方が大変だと思います。そうやって中心で暴れるということもこれまでやってきてなくて、どちらかというと『まあまあ』となだめるタイプなので、それが新鮮でもあります。ピアノの末永匡さんの存在もすごく大きいですね。一緒にベートーヴェンを演じているようなイメージです。この作品は、みんなでベートーヴェンの頭の中の出来事を演じているようなところがあるんです。お客さんの目に映る形で存在しているのは僕だけど、みんなでベートーヴェンという船を漕いでいるような感じがします」。
本作で稲垣が演じるのは、ベートーヴェンが30代を迎える1800年から40代、そして第九が完成する50代の半ばにかけて。