ASKA「今しか歌えない歌を」コロナ禍での“新しいリアル”を語る【ロングインタビュー】
もちろん国のガイドラインに則って、いろいろなやり方というのはあるんでしょうけど、それはあくまで緊急の方策であって、僕らアーティストやお客さんのエモーショナルな部分を引き出せるかって言ったら、やっぱり厳しいでしょうから。僕はコンサートにおける最大の演出はお客さんだと思っているので、お客さん同士がお客さんを確認しあって、この中に自分がいる喜びを感じるのがライブですから。自分が好きなアーティストを好きな仲間と同じ空間にいるんだって体感するのが最大の喜びですからね。その状態まで回復するには、とにかく「忍」ですよ、みんなが。そういう中にあっても僕の仕事は歌うことなので、音楽は絶やさず作っていこうかなと思っていますね。
ーークリエイトする音楽に今の状況は影響しますか?
ASKA:それはすべてにおいてあるでしょうね。だから今までの状態を基準にした変化形として捉えるんじゃなくて、新しいものとして動いていかないといけませんよね。今までのものをつなぎ合わせたような意識だけだとすべてにおいてダメになるでしょうね。
間仕切りはもうしっかり行われたので。ここからは新世界だと思わないと。そこで生き残っていける人と生き残っていけない人の違いは、その間仕切りを頑張って越えようとする人ではなくて、そこが新しい世界なんだという区別がついているかついていないか、そこだと思うんですよ。