ASKA「今しか歌えない歌を」コロナ禍での“新しいリアル”を語る【ロングインタビュー】
だから、できる歌詞や音楽が変わってくるのも当然なんですよ。やっぱり希望や愛や夢を歌わないと楽曲として成立しませんね。歌の中に恨みを持っているような楽曲っていうのはもうまったく意味を成さないですから。だから、人が気持ちを開くようなものが作品とならなければいけなくて、これから先もっとそうなっていくんでしょうね。ただ、今僕らは境界線のど真ん中にいるんで、そこを強調して歌うと、すごく無理して空元気で歌っているようにしか見えないじゃないですか。と言って、この境界線を気にせず、今までと何も変わらないように歌っていようっていう意識で作品づくりをしていると、自分の立っているところが見えない作品になってしまう。ですので、今回配信リリースした3曲(9/11『幸せの黄色い風船』、9/18『自分じゃないか』、9/25『僕のwonderful world』)については、もう境界線のど真ん中に立っているんだから、今しか歌えない歌を歌えばいいと。それを今回の3曲のテーマにしたんですよね。
ここにいるんですから、みんな。だったら自分が生きた記録として、ここにいるんだって歌を作っておこうと思って。そこから時代をくぐっていくごとにまた何かが見えてくるんだと思います。