2022年11月9日 12:00
萩原利久の演技ポリシー「事前準備がキャラクターをリアルに成長させる」
でも自分の都合が優先というか、優しいと思われるようにパフォーマンスをしてきたんだろうなとも思いますね。本心からというよりも、穏便に済ませるための優しさというか、そういう所が陽平にはあるんじゃないかな。
──そういう人、現実にもいますよね。
ただ愛助に出会ってからは、「彼女のためにこうしたい」という意識が芽生え、相手への優しさを持てるようになりました。先ほど話したように、冒頭の日常の演技との対比があってこそ、それがわかりやすいと思います。
──先ほどから「日常」と言う言葉が複数回出てきましたが、陽平と愛助の2人のホンワカした日々に、見ている側は引き込まれてしまって……ああ、良い映画だなって思ったんですけど、「日常っぽさを演じる」というのはすごく難しいことじゃないですか?
歩き方とか、物の持ち方とか、座り方とか。そういうみんなやっているけど、各々が別のクセや所作を持っていることって、一番人間が出ると思っていて。だからそういう何気ない動きを、ちゃんと考えて作るようにしました。
普段意識せずにやっていることを演じてるときは、意識しないとできないんです。矛盾しているようですが、いかにそういう部分を意識せずに普段通りのように出来るかというのも課題ですね。