「お芝居をすることと両思いになれた」 舞台『キオスク』出演、大空ゆうひインタビュー
──2020年は演劇界にとっても大きな年でした。いろいろなことを感じられたと思いますが、コロナ禍でも舞台に立つ意味や思いをお聞かせください。
舞台公演が中止になって、生の舞台ができない時期は、自分たちの仕事の意味や、俳優という仕事の役割を多少は考えましたが、舞台が再開できたときに、以前よりも、舞台で何かを伝えるということ、自分が置かれている日常とは違うものを劇場でライブで体感するということは、とても素敵なことなんだなと思ったんです。これまでも、「舞台が好き」とは思っていたんですけれども、今更ながらその芸術性を感じましたし、人間にとってそういうものは必要なんだなということを改めて感じることができて。
仲間たちと一緒に作品を作ることが当たり前じゃないし、それができることに感謝するようになりました。それが、自分が舞台に立つエネルギーにつながったのかもしれないです。以前より、楽しめるようになったし、ただ楽しいだけではなくて、舞台に立っているときの気持ちが強くなりました。一回離れたことで、お芝居をすることと両思いになれたような気もして。
その点、私にとってはいいこともあった期間でした。世界的には不安な状況ですし、マスクをしての稽古など、今まで想像もつかないような景色を見ているんですけれども、そうしながらも、何かを発信していくことはきっと続いていくだろうなというようなことも考えました。