「お芝居をすることと両思いになれた」 舞台『キオスク』出演、大空ゆうひインタビュー
コロナ禍で上演することの意義
──このコロナ禍で上演される『キオスク』。大空さんはこの作品を今上演する意義をどのように感じられますか。
不穏な時代、不安の時代というのは、心情的に、とても現状の私たちと重なることが多いと思います。ピュアで多感な17歳の少年の目を通して、その世界を見る。自分たちがどこに向かっているのか分からないですし、正確な道標はないと思うんですけれども、作品の中で、純粋な目で、世の中や社会情勢を見ることで、迷い込んだ状況からちょっと視界がクリアになったり、絶対的に大丈夫という保証はないけれども、微かな希望が見えるかもしれない。今この作品を上演して、お客様がご覧になってくださることによって、きっといろんなことを感じられるはず。心が動くことも大事なこと。何かを提供できる作品だと思います。
──大空さんは、宝塚歌劇団を退団されてから、ストレートプレイからミュージカル、インタビュアーとしても活躍されています。幅広いお仕事の中で、ストレートプレイはどういう位置づけなのでしょうか。
私の中では、あまり位置づけをしたことはありません。私はミュージカルであれ、ストレートプレイであれ、歌の仕事であれ、表面的な形よりも、もう少し奥にある根底を見ていて、その作品や音楽が持っている、一番核となる部分をいろいろな手法で表現していく。