2023年9月25日 12:00
【おとなの映画ガイド】昭和レトロな空気をまとったジャズ・ファンタジー、池松壮亮主演の『白鍵と黒鍵の間に』
1988年といえばバブル絶頂期だが、時代考証にはこだわっていない、と監督はいう。
ジャズのことを“ズージャー”といってしまうような、ジャズ仲間たちの、チョーシのいい、ちょいワルな雰囲気は、植木等や宝田明がでてきそうな、1960年代の日本娯楽映画が放つ昭和レトロの空気を感じさせる。会長が唄う『ズンドコ節』も、ドリフや氷川きよしのというよりは、小林旭の歌。そういえば、彼の出てくる日活映画もバンドとキャバレー、クラブがつきものだった。
南博さんの師匠をモデルにしたという宅見先生(佐野史郎)のセリフなどで幾度もでてくる「ノンシャラント」という言葉は、フランス語でいえば、気ままに、のんきに、というニュアンス。
難いこといわずに、のノリが魅力のジャズ映画です。
文=坂口英明(ぴあ編集部)
(C)2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会
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