くらし情報『それは「愛」の物語であった。 演劇ジャーナリスト・大島幸久が観た、『THE BOY FROM OZ』』

2022年7月8日 18:30

それは「愛」の物語であった。 演劇ジャーナリスト・大島幸久が観た、『THE BOY FROM OZ』

ピアノの上に立ち、決意を込めた渾身のポーズを決める。その立ち姿がスタイリッシュだった。

2幕の幕開けはナイトクラブでのショーから始まる。ピアノを使ったセクシーな歌と踊り。続いて、ラインダンスの中央で跳ねるように踊る。坂本は1幕で10曲、2幕で9曲披露した。まさに“坂本オン・ステージ”である。

坂本は主人公と自分を重ねながら演じていった。
ジュディ・ガーランドと、ライザ・ミネリという女性との関係。同性の恋人グレッグ・コンネル(末澤誠也)との喜怒哀楽。そして今陽子が演じだ最愛の母マリオンとの情愛。女、男、家族、さらに人々。それは「愛」の物語であった。ラストシーンで表現したのが命を燃焼し切ったポーズ。長くはなかった人生とはいえ、走り抜いた満足感を全身で見せた。

それは「愛」の物語であった。 演劇ジャーナリスト・大島幸久が観た、『THE BOY FROM OZ』


2年ぶりの復活上演の今作。
フィリップ・マッキンリーの演出、ジョーイ・マクニーリーの振付が坂本の才能を充分に引き出した。坂本の代表作である。(6月20日所見)

プロフィール
大島幸久(おおしま・ゆきひさ)東京都生まれ。団塊の世代。演劇ジャーナリスト。スポーツ報知で演劇を長く取材。現代演劇、新劇、宝塚歌劇、ミュージカル、歌舞伎、日本舞踊。

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