それ以外にもいい音楽はいっぱいあるから。それをやりたいと、このアンサンブルができたんです。ただ、シンフォニーと同じぐらいのクォリティでやらなければダメ。だからスピリッツとしては、オケで弾くのも、フィルハーモニクスで弾くのも同じです」
ウィーンとベルリン、名門オケのメンバーが一緒に演奏することで起こる化学反応もあるだろう。
シュテファン「反応どころか化学的爆発だよ!ものすごいエネルギーが湧いてくる」
この日のメンバーでちょっと面白いのは、ウィーン・フィルのティロはベルリン生まれ、ベルリン・フィルのシュテファンはウィーン生まれという逆転状態であること。ベルリン・フィル・コンサートマスターのノアはアメリカ出身なので、いわば中立。
ティロ「ウィーンはやっぱりヨーロッパの文化の中心だと思います。今日何のオペラをやっているか、みんなが知っている」
シュテファン「ウィーンの人たちは、政治より、国立歌劇場の次の総裁が誰になるかが大事。
ベルリンではそれはあまり気にしてないよね」
ティロ「オーストリア人の関心は、あとはニューイヤー・コンサート。そしてスキーの話かな(笑)」
ノア「どちらの街もアメリカとは全然違って、歴史的な音楽会場から新しいものが生まれている。