くらし情報『『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝』森美術館で開幕 異文化のハイブリッドを追求する多様な活動の全容を紹介』

2024年5月10日 18:00

『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝』森美術館で開幕 異文化のハイブリッドを追求する多様な活動の全容を紹介

宗教哲学者・柳宗悦が民衆の手による日常的な工芸品に「美」を見出した民藝運動を知的・社会的運動と捉えて共鳴している。そのうえで同展はブラックアートと民藝の関係にとどまらず、「ものづくりと友情を通じて、人が文化の持つ可能性に身をゆだねたときに、何が起こるかを示すもの」だと語る。それでは「神聖な空間」「ブラック・ライブラリー&ブラック・スペース」「ブラックネス」「年表」「アフロ民藝」の5章からなる展覧会を見ていこう。

ゲイツにとって音楽や儀礼、詩、彫刻や作陶は神聖なものに触れるためのスピリチュアルな行為。第1章「神聖な空間」は「美の神殿」をイメージし、自作とともに、彼が尊敬するつくり手の作品をインスタレーションした。入口には、民藝という言葉の起点となった江戸時代の僧侶・木喰上人による木彫。ゲイツが屋根にタールを塗る職人だった父に習った技術を生かした「タール・ペインティング」シリーズの作品もある。

『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝』森美術館で開幕 異文化のハイブリッドを追求する多様な活動の全容を紹介

木喰上人《玉津嶋大明神》1807年
『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝』森美術館で開幕 異文化のハイブリッドを追求する多様な活動の全容を紹介
シアスター・ゲイツ《年老いた屋根職人による古い屋根》2021年
次の部屋の床に敷き詰められているのは、常滑の水野製陶園ラボで制作された1万4000個のレンガ。かつてアメリカでは煉瓦職人の多くが黒人や有色人種の労働者だった歴史も想起される。

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