2023年2月20日 11:00
押井守監督に小島秀夫が鋭く切り込む『ダロス』40周年記念上映&トークショーレポート
と返しつつ、「当初は(構想されていたシリーズの)真ん中の美味しい4話だけを作って、作品として成功したら、第1世代から続く大河ドラマとして月面を舞台にした独立闘争を描こうと思っていた」と押井監督。また、本作が世界初となったOVAについて「テレビではできないクオリティと尖がった企画をやろうと考えていて。当時こういうものにお金を使うのは若いお兄ちゃんだから、メカと戦闘シーン、格好良いキャラと可愛い女の子を出そうと最初に議論した」と、当時の事情を明かした。
さらに押井監督の口から「ダロスは地球からは見えない月の裏側にあって、外宇宙に顔が向いている。オズマ計画のように、ここに人類がいるぞと外宇宙に向けてメッセージを送るために、第1世代の開拓者たちが作った」と語られ、謎に包まれていた設定が明らかになった。
そこから世代間のギャップや『機動戦士ガンダム』のニュータイプとの類似性などに話は広がり、「『アルジェの戦い』の話を聞いて納得しましたけど、それを独立戦争ではなく労働争議にするのが凄いですよね」と小島監督が指摘すると、「月面の独立戦争を謳ってはいるんだけど、真っ向から宇宙空間での戦いを描いてしまうとそれこそ『ガンダム』になってしまうので、植民都市の内部で都市ゲリラが暴れる形に捻った」