「ぶつかりあって生まれる熱量を届けたい」 『オレステスとピュラデス』鈴木仁×濱田龍臣インタビュー
と事前にしゃべるよりも、実際に芝居としてぶつけたほうが説得力があるかなと思うので。自分が考えてきたピュラデスを、稽古で邦生さんと仁さんにぶつけていく感じです。
鈴木シーンごとに違うオレステスの感情って、言葉で説明するのが難しくて。登場人物たちは感情をまっすぐ伝える人ばかりだから、セリフに潜む感情を説明するより、セリフそのものをぶつけちゃったほうが成り立つのかなって思います。
――ふたりのぶつかり合いで作品が作られているんですね。
鈴木そうですね。日々悩んで、正解はわからないけれど、でも正解に近づけるように戦っています。オレステスってピュラデスに甘えるというか、かなり頼りっぱなしなんですよね。
僕自身は実生活では弟がいて長男なので、あまり甘えたり頼ったりする感覚がなくて。だから難しさを感じつつ、日々新鮮な感覚で稽古しています。でも、できてるのかな?どう?
濱田大丈夫(笑)。
濱田たしかに、自分自身との違いという点で言えば、僕はこれまでたくさんの作品でいちばん年下のポジションが多くて、周りに甘える立場だったというのはありますね。こんなふうにお芝居全編で「ついて来いよ」という感じで引っ張るキャラクターは僕にとっても新しい挑戦です。