くらし情報『あらゆる困難を鎮めるために演劇はある 『子午線の祀り』成河インタビュー【前編】』

あらゆる困難を鎮めるために演劇はある 『子午線の祀り』成河インタビュー【前編】

入っちゃってる」っていうのが成立するような人なので(笑)。思い切り甲の声を使うように言われたので、そうさせてもらっていますが、自分ではこの声がどう働いているのかは、よくわかりません。

でも作品のことは、やればやるほど、そのすごさがわかってきて、(前回上演時は)本番中も出番でない間は舞台袖やモニターで観て、泣いたりしてました。だって、「諸行無常盛者必衰」と、漢字8字で『平家物語』のすべてを言い表すのは確かに見事ですけど、それだけ言われても、よくわかんないですよね。そこを4時間かけて、ポーンと宇宙から俯瞰しつつ娯楽として成立させて、「人間、誰もが生きていくのはつらいんだなあ。でもそれは、しょうがないことなんだよ」と、すんなりわかるようにしてくれている。萬斎さんは「レクイエム」と解釈されていますが、個人的な些細な悩み事から、大きな事件や災厄まで、人間に起こるあらゆる困難を鎮めるために、演劇はあるのだということを、僕はこの作品で実感しました。

あらゆる困難を鎮めるために演劇はある 『子午線の祀り』成河インタビュー【前編】


公私ともにいろいろなことがあった時で、知盛の嘆きや、その知盛に語りかける舞姫・影身の言葉を聴いて、ものすごく鎮められていくものがあったんです。
これは、舞台にいても客席にいても一緒だと思います。

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