『攻殻機動隊』最新作はなぜ、Netflixシリーズに? 監督が語る
荒牧神山監督とはいろんな部分が合致していて、アクションはこちらで設定するけど、地味な部分は任せて……とかじゃなくて、すべてふたりで一緒に見ていきました。どちらかというと僕は神山監督が出してくるネタに対して、それをどういう舞台でやれば物語として機能するかを考えて強化していくことが多かったですね。最初に士郎さんが描いたものはファンタジーだったのかもしれないですけど、僕らはそれを現実で追体験していった部分があって、今という時代はこれまで以上にSFとしての嘘がつけなくて、ヘタをするとこれは古いねってことになってしまう危険性もある。だからある程度の理屈をつけつつ、『攻殻』らしく描く微妙なチューニングを一緒になってやっていきました。
本作のポイントは、Netflixを通じて全世界に配信されるシリーズだということ。ひとつずつエピソードを重ねて、次第に世界が広がり、キャラクターに対する理解が深まり、物語の核心が少しずつ明らかになっていく。
荒牧最初は映画でやろうという話だったんですけどね(笑)
神山でも、『攻殻』って僕の体感ではあるんですけど、シリーズ向きなんですよ(笑)。映画に向くものとシリーズに向く題材があって、もし『攻殻』を映画にするのであれば、それは押井監督が最初につくった映画しかなくて、あとはシリーズになっちゃうんですよね。