《SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020》が明日開幕! オンライン開催の今年はドキュメンタリーが2本も!
趣はまったく異なるが、どちらもその人物の実像に肉薄した力作になっている。
このドキュメンタリー映画が2作選出されていることが象徴するように本映画祭の国際コンペの大きな特色になるのが、さまざまなジャンルの作品が顔を揃えること。ジャンル映画専門以外の国際コンペとなるとなかなか選出されないコメディやサスペンスといったエンターテインメント要素の強い作品が今年も選出されている。ロイ・アンダーソン監督にも通じるスウェーデンらしいシニカルなコメディが展開する、パトリック・エークルンド監督の『カムバック』、わけあり家族にちょっとした騒動が起きるフレンチ・コメディ『フェリチタ!』といったユーモアあふれる作品から、注目のドイツ人女性監督、カトリン・ゲッベによる心理ホラー『ペリカン・ブラッド』、死に直面した大人の男女の関係の行方を精緻にえがいた人間ドラマ『願い』など、娯楽性と芸術性を兼ね備えた多様な作品が並ぶ。こうした海外の力作が居並ぶ中、日本映画で唯一ノミネートされたのは、串田壮史監督の『写真の女』。イギリスの大学で映像制作を学んだ串田監督は、2017年に発表した短編『声』が、世界90の映画祭を巡り、ブラックマリア映画祭最高賞など数々の賞を受賞。