『三島喜美代―未来への記憶』練馬区立美術館で開幕 約1万個のレンガを敷き詰めた圧巻のインスタレーションも
第一章展示風景より
三島喜美代《ヴィーナスの変貌V》1967年 個人蔵
第2章「割れる印刷物」は、三島の代表的な作風である、新聞やチラシ、雑誌やフィルムなどを陶に転写した作品を紹介する。紙のたわみや折れ皺など、非常に精巧に作られており、陶であることも認識しづらいほど。そして、単なる超絶技巧で作られた作品の域を超え、私たちが日々営む「日常」や「情報」を改めて問い直している。
第2章 展示風景より
三島喜美代《Comic Book ‘80》(一部)1980年 滋賀県立陶芸の森 陶芸館
左:三島喜美代《サンキスボックス》2005年 岐阜県現代陶芸美術館右:三島喜美代《バナナボックス》2007年岐阜県現代陶芸美術館
三島喜美代 《WORK C-92》1991-92年岐阜県現代陶芸美術館
世の中に氾濫する膨大な情報に着目し、陶の作品を制作していた三島の問題意識は、やがてその情報の発信源である新聞や雑誌がすぐにゴミになってしまうことから、ゴミなどの廃棄物へと移っていく。第3章「ゴミと向き合う」は、三島が収集した廃棄物を使った作品などを展示する。
三島喜美代 《Work 17-POT》2017年個人蔵
マンガ雑誌を模した巨大な作品《Comic Book》シリーズの3点は、産業廃棄物を1400℃の高温で焼成して生成されるガラス状の粉末、溶融スラグで作られた、原料もモチーフもゴミから作られている。