2022年5月25日 07:00
日本一の落語名人会を目指して──30回を迎える「COREDO落語会」山本益博プロデューサーインタビュー
ぜひ『らくだ』をとお願いしたらとても喜んでいただいて。トリで出ていただいたのに、まくらもなくていきなりわーっと噺に入っていく、もうわしづかみにされました。それから1時間20分。
柳家さん喬さんの『雪の瀬川』も名高座でした。2018年12月。年の瀬の人情噺。これも1時間40分の長講一席です。終わっても拍手がなりやまず。
落語ではあまりないことですが、師匠の背中を押してもう一度高座に上がっていただき、カーテンコールですよ。あれをお聴きになったお客さんは一生忘れないと思います。
三つ目は、今度の6月4日にも再演していただく権太楼師匠の『唐茄子屋政談』。僕は圓生のも志ん朝の名高座も聴いていますが、それを上回る“唐茄子屋”。夏はこれです、毎年一回聴きたいです。
そして春風亭小朝師匠の『愛宕山』。彼が演ったなかでもピカイチでした。桂文楽、志ん朝以降の『愛宕山』では彼を超えるものはない。
あんなきれいな所作はなかった。
五つ目は、これもぴあの連載でも書きましたが。喬太郎師匠の『おせつ徳三郎』。すごく映画的です。いつもの「お題目で助かりました」というオチを捨てちゃって、「花びらがふたつ流れていきました……」。