2021年8月12日 12:00
スモーキー歌声と幻想的な音世界で注目のさらさ。デビュー曲を携えたリリース パーティーに潜入!
物語の余韻を味わい自分だけの時間へとダイブさせてくれるような贅沢なリズムが、その歌と音楽に宿っている。
22歳のさらさだが、その歌声は深く落ち着いていて、メロディを紡いでいくリズムやタイム感もまた魅力的だ。歌と音とで酩酊させるような心地よさで、観客の体をゆったりと揺らしていく。「温度」では、サックスの情熱的なフレーズに対して、気だるいボーカルが低音のメロディをなぞる。
会場の空気もほどけ、アンサンブルとまったりと溶けていったところで、さらに「朝」でジェントルなビブラートを響かせる。高校時代からセッションバーに通い、大人のミュージシャンに混じりジャズやソウルを嗜み培ってきたボーカルの妙味は、ライブで本領を発揮する。
一転して、MCでは22歳の素顔が炸裂する。コロナ禍でライブができなかった中で、久々の有観客のライブ、そしてバンドセットのステージだという喜びが抑えきれず、普段はあまりMCをしないそうだが「今日は、興奮気味のMCになりそう」と大きな笑顔を見せた。
同世代の男女──SNSやプレイリスト等を通じその音楽に触れた早耳のリスナーや、友人、音楽仲間たちが大半を占めたフロアは、歓声をぐっと飲み込んで、あたたかな拍手で身近な才能を祝す。