くらし情報『よりよく生きた、それぞれの道程を祝福する舞台 asatte produce『ピエタ』』

2023年8月5日 17:00

よりよく生きた、それぞれの道程を祝福する舞台 asatte produce『ピエタ』

asatte produce『ピエタ』より 撮影:山崎伸康

撮影:山崎伸康



小泉今日子が大島真寿美の原作小説に心酔し、舞台化を熱望してから3年以上の時が過ぎた。コロナ禍を含む紆余曲折を経て、今夏ついに舞台『ピエタ』がペヤンヌマキの脚本・演出で開幕した。作曲家ヴィヴァルディが、孤児を育成するピエタ慈善院で少女たちに音楽教育を施していた史実をモチーフに、ピエタで育ち、後にその事務を司るエミーリア(小泉)、ピエタに通って音楽を学んだ貴族の娘ヴェロニカ(石田ひかり)、高級娼婦のクラウディア(峯村リエ)など、彼と因縁のあった女性たちがヴィヴァルディの没後に交流するさまを描いた物語だ。運河を渡るゴンドラ、水紋、五線譜などを想起させる美術(田中敏恵)、オフホワイトで統一した衣裳(宇都宮いく子)など、ペヤンヌは18世紀ヴェネチアの背景を寓話的にぼやかして、そこに息づく女性たちの心の機微をソフトに、されど着実に今を生きる我々へと結びつけた。


よりよく生きた、それぞれの道程を祝福する舞台 asatte produce『ピエタ』

ジロー嬢を演じる橋本朗子(手前)、奥左から音楽監督兼演奏者の向島ゆり子、演奏者でアンナ・マリーアを演じる会田桃子
ヴィヴァルディが遺した一片の楽譜、それを探し出すためにエミーリアが奔走するミステリー調の筋を追いながら、その過程で交錯する女性たちの生きざまが色彩豊かに展開する。

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