くらし情報『「どっちなんだよ」のままで終わらせてはいけない作品。沖縄在住の劇作家・兼島拓也と新たに出演する・中山祐一朗が語る2024年版『ライカムで待っとく』』

2024年3月2日 10:00

「どっちなんだよ」のままで終わらせてはいけない作品。沖縄在住の劇作家・兼島拓也と新たに出演する・中山祐一朗が語る2024年版『ライカムで待っとく』

、前に劇団の舞台を観に来られたある先輩俳優さんが、「どっちなんだよ!?」って笑いながら一言、感想を言って帰られたんです。まさしくその通り、結末をはっきり提示しないのが長塚君の作劇のスタイルで、この『ライカムで待っとく』もそういった“分からない魅力”があるように感じて。分からないからもう一回観たくなったり、戯曲があれば読んでみたいと思わせる、そういう迷宮に誘い込む感じの面白さは長塚君の作品と似たものを感じます。でも、これは「どっちなんだよ」のままで終わらせてはいけない作品なんだろうなと。考えなければいけない問題と向き合わせる作品、そこが決定的に違うところかなと思いました。

兼島沖縄に今ある問題……、まあ沖縄だけの問題ではありませんけど、やっぱり沖縄の人間は「どっちなんだ」ということをつねに問われ続けている立場ではありますね。どちらか分からない状態でもどちらかに決めなければいけない、そうつねに質され続けていて、“決める”と“決めない”のあいだでずっと揺れ動いているようなところがあります。政治的にどちらかに決められない状態なのに国の決定が頭から覆いかぶさって来る、といったようなことも頻繁です。

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