くらし情報『「どっちなんだよ」のままで終わらせてはいけない作品。沖縄在住の劇作家・兼島拓也と新たに出演する・中山祐一朗が語る2024年版『ライカムで待っとく』』

2024年3月2日 10:00

「どっちなんだよ」のままで終わらせてはいけない作品。沖縄在住の劇作家・兼島拓也と新たに出演する・中山祐一朗が語る2024年版『ライカムで待っとく』

そういう全体の構造についても書きたかったので、中山さんの今のお言葉で、書きたいと思った部分をちゃんと見てもらえた、届いていると感じられて嬉しかったです。その部分はちゃんと出来ていたのかな、と思えました。

――お話のように、決めるか決めないか、どちらなのかと揺れ動くのは沖縄の人だけでなく、日本に生きる我々全体の立場でもあると感じられたからこそ、初演が多くの観客の心に響いたのだと思います。中山さんが演じる神奈川県在住の雑誌記者・浅野は、妻の祖父の葬儀のために沖縄を訪れますが、ひょんなことから60年前の沖縄で起きた米兵殺傷事件について調べることになります。この浅野はどういう役割、思いを託して生まれたキャラクターなのでしょうか。兼島浅野という人物が立ち上がっていった段階をお話しますと、最初は、KAAT神奈川芸術劇場に「作品を書いてほしい」と依頼された僕自身の立場を上手く作品に投影出来ないかな、ということが出発点でした。作劇上、歴史的な事柄を説明していく必要性があったので、沖縄の人間の立場ではなく、県外の人が沖縄で実際にあったことを知っていく、それが観客の皆さんと共有される、そういうことを狙って“県外でライターの仕事をしている人”というキャラクター設定となりました。

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