2024年3月2日 10:00
「どっちなんだよ」のままで終わらせてはいけない作品。沖縄在住の劇作家・兼島拓也と新たに出演する・中山祐一朗が語る2024年版『ライカムで待っとく』
この設定でどうなのかな、大丈夫かなといろいろ考えていくなかで、KAAT館長の眞野さんが「この戯曲、これを書いてほしいと依頼したKAAT自体に対しても挑発しているね」って、嬉しそうな感じでおっしゃってくれたんですね。それで、KAATがこの作品を作っている、その構図自体も批評的に捉えることが出来ればいいかなと考えて、そのための一番入りやすい形として浅野という主人公を立ち上げていきました。
兼島拓也
中山でも、僕と初演の亀田さんではだいぶ雰囲気が違いますよね。
兼島今、中山さんと佐久本さんに合わせて少し脚本を直しているところです。佐久本さんも初演の南里さんより若い方なので、もう少し若い設定に変えようと。
中山そうなんですね。僕はわりと“芝居をしないふうに演じる人”と思われていると自分で思っているんですが、初演の映像で見た主人公のようにライトに事を運ぶべきなのか、それとももうちょっと何か思いを込めた感じがあったほうがいいのか、そこは面白いところですね。あと、佐久本君のほうはかなりキャラクターが変わりそうですよね。
なんとなく、ですけど。
兼島そうですね。沖縄本土復帰50年を迎えたのが初演の時で、その後の本土からの沖縄への見方、たとえば報道のされ方に関しても少しずつ変化があるのかなと思っているので、中山さんがおっしゃったライトな感覚が、1年半前と今では受け取られ方が違うかもしれないなと。