くらし情報『何のために映画祭はある? 「東京フィルメックス」ディレクターが語る』

何のために映画祭はある? 「東京フィルメックス」ディレクターが語る

「あいちトリエンナーレの問題でも頭が痛いのは、正直なところ“助成金はいらない”と言えるほど映画祭はお金が集まらないからなんです。フィルメックスもたくさんお客さんに来ていただいているんですが、それだけでは映画祭は成り立たないですし、みなさんに1回の上映で5000円払ってください!とは言えない(笑)。だからフィルメックスも毎年、毎年、助成金の申請をして結果を待つ状態ではあるんです。たとえばフランスのカンヌ映画祭だと、公金をもらって仏政府に批判的な映画を上映していたりする。でも、日本の場合を考えると、自治体も政府も“政府に批判的な映画を上映しようと思うんですけど”って言われたら、それは懸念を示すと思うんですよ。

だから、その時に映画祭としてどうするのか? 懸念を受けて中止にするのか、自分たちの責任で上映するのか……そういうことが試される時代になってきていると思います。だからフィルメックスでは、そこに変なバイアスはかけないで“映画として素晴らしいかどうか”でまず判断して、その上で上映するとどうなるのか? を考えることになると思います。純粋に“作品の質だけで選びました”と言っても問題が起きる時は起きるわけで、危機管理をしながら運営していかなければならない時代ではあると思います」

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