山本耕史「僕が出ることはもうないと思っていた」再びマークを演じる『RENT』の魅力
未知の世界に下っ端として入り込んで、すごく気負いがあったし、同時にものすごく虚勢を張っていた記憶があります。普通、みんなで作品を創る時には内側を向いてみんなで手を取り合うイメージだけど、初演『RENT』はみんな外側を向いていたんですよね。『さっき音外してたろう』『あいつの歌は許せない』っていうくらい、みんな尖っていたし、一人ひとりが自分のパフォーマンス、歌に確固たる思いがあった。うまく伝えるのが難しいけど、ミュージシャンの方たちは、もちろん役を演じてはいるけど、そのままの自分で舞台の上にいた。演技をしたことがない人たちの自然なパワーがあったというか。それが、初演『RENT』にとってはすごく重要だったと思う。ぶつかり合いながらも作品を通してひとつになることがとても大事だと教えてくれたし、すごくエネルギーがありました」
そして、再びの『RENT』挑戦となる。
「僕にとっては、新しい初演ですね。
まさかフルに英語で演じることになるとは思ってなかったし、僕とKayちゃんだけが海外キャストの中に入っていく、不思議な企画ではあります。でも今の自分が『RENT』をやるならこれが理想的な形だろうし、自分を創ってくれた作品への恩返しでもある。