『けむりの軍団』上演中の新感線・いのうえひでのりを直撃
新感線は活劇の劇団としてやっているので、そこはなくならない。ただ今後、かずきさんが書く従来の冒険活劇は基本、若いゲストに真ん中に立ってもらってやっていこうと。そしてもうひとつ(alternative)の、劇団員中心の作品のときは年相応な感じのものをやりたい。完全な世話物にはならないし、活劇の要素はもちろんあるんだけど、“やむなく、どうしても刀を抜かなきゃいけなくなりました”みたいなところに持っていける話を(笑)」
そう聞いて、「新感線も衰えたな」と感じる人がもしいたら、断固として間違っている。(数字的な意味合いで)歳を取ったのは確かだが、集団も作品も何ひとつ衰えてはいない。それは39年目にして新たな扉を開き、これまで無数に生まれた彼らのどの作品とも手触りの違う『けむりの軍団』を観れば明らかだ。劇団☆新感線は、日本の大衆娯楽演劇を牽引するトップランナーであり続ける。
TBS赤坂ACTシアターにて8月24日(土)まで上演し、福岡・博多座、大阪・フェスティバルホールで公演を行う。
取材・文:武田吏都