2022年11月5日 10:00
高杉真宙と関水渚が映画『いつか、いつも‥‥‥いつまでも。』の撮影を振り返る
混乱を起こそうとしているのではなく、うまくいかない自分に苛立ったり、どう振舞っていいのかわからなくて逡巡しているうちに俊英たちを巻き込んで小さな騒動が起こってしまう。彼女もまた“愛すべきキャラクター”なのだ。
関水は「頭の中で亜子はいろんなことを考えていると思います。世の中に希望をもっているけれど、自分に自信がないせいでそれを表現できない」と言い、「愛されたいけど、自分のこともうまく愛すことができない。色々な不器用さがあって表現していくことが難しかった」と語る。
本作は家族ドラマのような設定で、小さな家に集う人々の幸福な風景や、観ているだけでおなかの空くような食事シーンもふんだんに登場するが、その根底にあるのは“面倒だけど、絶対に無視できない相手”に出会ってしまった主人公ふたりの物語だ。
ふたりは浮かれることもなければ、劇的にひかれあうこともない。静かに時間をかけて相手の良い部分も、悪い部分も見て、時間をかけて関係を築いていく。
そして、そんな過程を通じてそれぞれが相手だけでなく、これまで嫌いだった“自分自身”との付き合い方も変化させていく。
『いつか、いつも‥‥‥いつまでも。』は、登場人物の表情やささやかなセリフが心にスッと染み込んでいくような映画に仕上がっており、複数回、映画館に足を運ぶ観客も増えているという。