2022年7月4日 12:05
過去作のオマージュなどマニアックな視点で観る『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
ドラマ版『バットマン』にもこれと似たような胸像があり、ここに隠したスイッチでバットケイブに行く秘密の扉が開くような設定だった。それが意識してのことだった、と監督のマット・リーヴスもインタビューで明かしている。
さらに細かいネタも。犯罪王・ファルコンがバットマンのことをゾロに例えるセリフが本編にある。ゾロは古典の冒険小説に出てくる有名な黒ずくめのヒーロー。バットマンのコミック自体もゾロに影響を受けており、いくつかのバージョンでは少年時代のブルース・ウェインは映画の『ゾロ』を親と観た帰り道に、あの悲劇に会うという設定だ。
ホアキン・フェニックス主演の『ジョーカー』(2019年)でも、ブルースの父と母が映画館近くで殺されるシーンがあるが、この映画館の看板に映画の『ゾロ』を上映していることが分かる。こうしたことを知っていると”あの”セリフがいかにマニアックか理解できるだろう。
そして、最後はリドラーが街に爆弾を仕掛け洪水を起こすシーン。このシーンの日付は11月5日として描かれているが、この日はイギリスでガイ・フォークス・ナイトとして知られる日だ。
17世紀にイギリスで起こった火薬を使った政府転覆未遂事件に由来し、ガイ・フォークスはこの事件に関わったとして処刑された男の名。