2019年10月11日 12:00
さらなる変化と出会いを求めて。是枝裕和監督が語る新作『真実』
だからこの先、どうやっていくかですよね。この映画もまだ“ファミリードラマ”の枠組みはあるわけで、それをとっぱらった時に何が残るのか? どこまで行けるだろう……ってほどの道を歩いているとは思わないですけど(笑)、次に一体、何を壊したら何が残るんだろう? それでも壊しきれないものは一体、何なのだろう? ってことは考えますよね」
映画監督の中にはキャリアをかけて、自覚的にひとつのテーマを追求する人もいるが、是枝監督は意図的に“縛り”や“固定化”を避け、変化し、スクラップ&ビルドを繰り返して“変化し尽くしても変化しないもの”を見つけようとしており、その流れの中に本作もある。この映画は海外で撮った“特別編”でも、外国で活動するための“足がかり”でもないのだ。
「そうです。僕の中ではこの映画は『万引き家族』よりも“真ん中”にある映画で、何年か経って振り返った時に“あそこで変化があったんだな”と思えるのはこの映画なんじゃないかと思っています。次へ向かう方向性を決めている作品。でも、それがどちらに向かっているかは……まだわからないんです(笑)」
『真実』
公開中
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