2023年10月16日 12:40
髙橋ひかるが会場中を駆け回る熱演 舞台演劇番組イベント生配信ドラマ『あの夜であえたら』閉幕
特筆すべきは、会場全体を使いリアルタイムでことが進んでいることを感じられる演出だ。客席のあちこちでキャストたちが芝居をするのはもちろんのこと、バックステージや楽屋、そして国際フォーラムと目と鼻の先にあるニッポン放送社内を使って、物語が繰り広げられる。観客が直接目にすることができないステージ以外での芝居は、スクリーンに映し出されるのだが、映像と生の芝居が非常に良いバランスで繰り返されるので、それがリアルタイムで演じられていることが伝わり、緊張感やワクワク感、そして没入感が増す。演劇、舞台の新たな可能性が見える斬新で、枠にとらわれない新しさを感じる演出だった。
また、一幕では文字通り会場中を駆け回り、右往左往しながらもラジオへの愛情と信念を忘れない植村を演じた髙橋の熱演が光った。番組とパーソナリティー、そしてリスナーを思う植村を髙橋はまっすぐに演じ、魅力的な人物に作り上げていた。現実をズバリと突きつける相原役の工藤は、小気味よいセリフ回しで仕事のできるAPを体現。そして、編成局長の野々宮代助役の相田周二(三四郎)、特別出演の佐久間宣行が笑いを作り出し、物語に良いスパイスを与えていた。