2023年7月24日 17:00
魅力的な歌声と、あちこちに散りばめられた仕掛けを楽しんで ミュージカル『カラフル』開幕
そんなぼくをプラプラが不思議な歌とダンスで勇気づける(「ぷらぷらぷら」)。プラプラと<ぼく>の友情にも似た何かが生まれはじめる魅力的なシーンだ。
初恋相手のひろかにパパ活をやめさせようとするも失敗に終わったり、不良に襲われたり、ひどい悪夢を見たりするなどふんだりけったりなシーンだが、大嵜慶子による素晴らしい楽曲の数々と、鈴木福をはじめとするキャスト陣の見事な歌唱力によって、この展開が暗すぎないものになっている。
鈴木福
左から)鈴木福、加藤梨里香
「ひろか救出劇からのソーダの泡」は鈴木と川平の声の相性も抜群。『カラフル』というタイトルとは意味が真逆の楽曲「Colorless」では、クラスメイト・佐野唱子を演じる加藤梨里香の切実な想いが歌声となって響き渡る。
『カラフル』をミュージカル化すると聞いた時は、このストーリーをどのように展開していくのか想像が出来なかったのだが、実際に観て、とてもマッチしていると感じた。死後の世界から半ば無理やり連れ戻された<ぼく>の、俯瞰して周囲を見る様子と目まぐるしく展開する周囲の様子が歌とダンスによって見事に構築されているのだ。
鈴木によるみずみずしい歌声も合わさって、感情がストレートに伝わってくる。