2024年3月19日 00:00
『テルマエ展』4月6日から 「お風呂文化」を通して古代ローマの暮らしを紹介
古代ローマの公共浴場「テルマエ」は、繁栄を誇った古代ローマ人の豊かな暮らしと優れた建築技術を象徴する存在だ。漫画家ヤマザキマリの漫画『テルマエ・ロマエ』とその映画化によって、日本で一躍知られるようになった古代ローマの「お風呂文化」に注目した展覧会が、東京・港区のパナソニック汐留美術館で、4月6日(土)から6月9日(日)まで開催される。
ローマ市で最初のテルマエは、初代皇帝アウグストゥスの右腕だったアグリッパによって、紀元前1世紀に建設された。4世紀になると、市内の大規模な公共浴場は11を数え、小規模なものは約900軒にものぼっていたとか。現代の日本人と同じように無類のお風呂好きだった古代ローマの人々にとって、テルマエは最も愛され、日常的に通う場所だったのだ。また、浴室に加え運動場なども備えたテルマエは、身体を動かすと同時に人々と交流することで心身の健康を保つための場所でもあり、さらに彫刻やモザイクといった美術品に親しめる場所でもあった。
同展は、その多様な役割をはたしていたテルマエを中心に、古代ローマの人々の衣食や娯楽も含めた生活を紹介するもの。美術作品や資料、映像、模型など約100件以上の多彩な作品が並ぶが、なかでも特に注目したいのは、イタリアのナポリ国立考古学博物館が所蔵する絵画、彫刻、考古資料32件が来日することだ。