【おとな向け映画ガイド】異色の2本をオススメ。息子のゲイバーを相続した『ステージ・マザー』、男性が『MISS ミス・フランスになりたい!』
クラシックなハリウッド・コメディに、自立する女性を描く映画の要素を加え、『キャバレー』のように華やかなショーで味付けしたハートウォーミング・コメディに仕立てています。
『MISS ミス・フランスになりたい!』
男性しか門戸が開かれていない世界に女性が挑戦しパイオニアになる、実話の映画化も含めてそういった作品はいくつもあります。女性オンリーの世界への男性進出も、主夫ものとか、ないわけじゃない。しかし男性がミスコンに、というのは思いつきませんでした。
子どもの頃に将来何になりたいかと聞かれ、ボクサーになりたい、サッカー選手になりたいとクラスメートがいいます。アレックスの夢はミス・フランスになることでした。それから幾星霜。24歳になった彼は、その夢の実現に向けて動き出します。
そう考えてもおかしくないほど彼は美しいのです。パリのごたごたした下町の下宿屋。ごうつくばりだけれど生きる知恵のある家主、少々とうが立った女装の娼夫、起業を目指すIT系の移民青年、インド人のお針子さんたちといったさまざまな住人と友人の助けをかり、男性であることを隠して「ミス・フランス」コンテストに挑戦します。
アレックスは偽造パスポートを手に入れ、まず、パリを中心にした「イル・ド・フランス」