成河、亀田佳明が熱く語る! 新国立劇場が2024/2025シーズン開幕に放つマクドナーの傑作『ピローマン』
とにかく一筋縄ではいかない、でも、それが人間だろう、という気もする。そこは大事にしていきたいと思います。
凄惨かつ絶望に突き落とされるような状況ながら、つい笑ってしまう、いわばダークコメディ。絶望的な状況の中で笑いを生み出すのは、俳優の力に負うところが大きいのではないかと尋ねると──。
成河コメディの部分を俳優が生み出す、というのはあまりよろしくないことだと思います。それは戯曲が生み出していることであって、特にイギリスの作家にとってのコメディとか笑いは、知性。だから笑いのない状態で真剣に観る説教じみたプレイは、イギリスでは非常に幼稚だと見なされると思います。この状況をいかにクレバーに笑えるか──非常にイギリス的ですよね。
亀田今回は翻訳も絵梨子さんが手がけていますが、もう翻訳の時点でそういうリズムになっている。俳優が狙ってやらなくても関係性、言葉のやり取りで笑えるように書かれていると思います。
成河僕はこれまで『ウィー・トーマス』、『スポケーンの左手』に出演したことがあり、マクドナー作品はこれが3本目。彼の作品は舞台も観ますし映画も好きですが、「何で?何で?」とよく考えますね。