2022年5月2日 07:00
「“ストレンジの立ち方”というものがある」三上哲が語る『ドクター・ストレンジ』最新作
「1作目の映画では、ストレンジのさまざまな表情、ベネさんのさまざまな演技が描かれていましたよね」と三上は振り返る。「ですから、日本語吹替版の収録では彼の演技に寄り添って、彼についていく感じでした。こちらが画面の中の演技から、どれだけ汲み取ることができるのか? そして汲み取ったものを自分の身体を通して、どこまで声で演じることができるのか? そこがポイントでした」
弟子入りしたばかりのストレンジは有能な男ではあるが、ある意味では自分本位で、少し身勝手。憎めないキャラクターだが、どこか上から目線な人物だった。しかし、彼は熾烈な戦いに巻き込まれ、魔術の世界の可能性と恐ろしさに触れることで変化を遂げていく。
「ストレンジは最初は戦うことに対して反抗していましたし、相手を倒すことに対してすごく傷ついていて、映画の最後あたりでやっと責任感が出てくる。つまり、1作目は彼がヒーローになるまでの映画だったんですね」
その後、魔術を使い空間や時間を自在に操るドクター・ストレンジは、アベンジャーズの中で重要な役割を果たす人気メンバーに成長していった。観客もストレンジの“スゴ腕で、達観しているようだが、どこか抜けてる部分もある”ところに大きな魅力を感じているようだ。