京極夏彦「歌えばいいんだとわかりました」小西遼生主演ミュージカル『魍魎の匣』15日まで
この作品は説明が多い。でも「歌えばいいんだ」と今日わかりました(笑)」と話し、また「小説は書き上がった時点で作者の手を離れる。どのように受け取って、どう表現されても僕はまったく構わない。むしろそこから生まれた作品が面白いかどうかが大切。今回は面白かったので、OKです」と太鼓判。演出の板垣は「『魍魎の匣』の存在はもちろん存じ上げていましたが、あまりの分厚さにずっと逃げていた(笑)。でも知り合いにやっぱり面白いよと勧められて読んだら、あの厚さをものともしない面白さで(人気があるのは)そういうことか、と思いました。同時に「ミュージカルにできるのでは」と考えてしまった。
演劇における歌というのは、時間と空間を自在に飛び越えられるという特性がある。その力を使えば、複雑な人間関係をひとつの時間軸で見せられるのではと狙ったのが、今回の企みです」と、ミュージカル化に至った理由を明かす。
左から中禅寺秋彦役:小西遼生、久保竣公役:加藤将
主演の小西は「僕も“レンガ”と呼ばれる原作本を読みました(笑)。あの面白い原作をミュージカルにして楽しんでいただくためにはどうすればいいのか、1ヵ月以上考え続けてきました。