2023年9月12日 17:00
稲垣吾郎と真飛聖が気鋭作家・横山拓也の新作で共演! “フタ”をすることに慣れてしまった40代を描く舞台『多重露光』とは?
撮影:藤田亜弓
稲垣吾郎主演の舞台「多重露光」が10月に上演される。気鋭の作家・横山拓也のオリジナル脚本による本作。街の写真館を営むも、親が遺した言葉や期待に苦しむ40代半ばの男・山田純九郎(すみくろう)の姿を描き出す。相手役の麗華(れいか)を演じるのはミュージカルコメディ「恋と音楽」シリーズで稲垣と長く共演してきた真飛聖。稲垣、真飛、横山の3人が本作への思いを語ってくれた。
本当の自分の生き方を見つけられていない男
――横山さんはどのように今回の物語の着想を得たのでしょうか?
横山自分が書いてきたものを見返してみると、親と子のドラマ――親子の軋轢や素直になれない部分というのをいろんな作品で書いてきているんですよね。自分が何にこだわって親子関係ばかり描いているのか? それはいま言語化できないでいるんですが、今回の物語で言うと、僕自身もそうだし、純九郎も麗華もそうなんですけど、自分が傷ついていることとか、「寂しい」と思っていることとについて、うまく“フタ”をできるようになって40代を迎えている人って多いんじゃないかなと感じています。その感覚を作品にしたというのがありました。
純九郎は、この物語が始まる前の時点で、決してそこまで社会性がないわけではなく、それなりにうまくやってきたんだろうと思うんですよね。