2023年9月12日 17:00
稲垣吾郎と真飛聖が気鋭作家・横山拓也の新作で共演! “フタ”をすることに慣れてしまった40代を描く舞台『多重露光』とは?
でも、この年齢(45歳)を迎えて、欠落しているものに対して「埋めたい」という思いや、処理できない気持ちが発露しはじめた瞬間から物語がスタートしているんです。なので、もともとこういう人物だったというわけではなく、いま、こじれている時期がきたんだなと(笑)。我々は社会でうまく生きていくために、こじらせずに何とかやっていますけど、そこでこじらせちゃった人がいたらドラマになるなと思いました。
――稲垣さん、真飛さんは脚本を読まれていかがでしたか?
稲垣本当に繊細な人間たちのお話だなと。自分はいつから無神経というか、鈍感になってしまったんだろう――? と思うような……。
真飛「僕も優しくなろう」とかおっしゃってましたよね(笑)。稲垣そういう気持ちを忘れかけていましたよね。家族の話であり、両親の言葉の“呪縛”で自分を締めつけてしまって、四十を過ぎてもいまだにどう生きたらいいのか? 何かから脱することができずに、本当の自分の生き方を見つけられていない男ですよね。
自分が理想とする家族の形で生きていくことができず、思い悩んでるんですよね。
そういう感覚は、僕自身、あまりなかったんですよね。あまり家族のことで悩んだことがなくて、それは恵まれていることだし、こういうことを言うこと自体、無神経でイヤなんですけど……(苦笑)。