2021年6月7日 07:00
有村架純の凛々しさ「唯一迷わないのは、絶対にいい作品をつくりたいということ」
その静謐な空気の正体は、有村架純の役づくりにあった。
「演じているときは、なるべくまばたきをしないように心がけていました。私はたぶんドライアイで、普段からまばたきが多いと言われやすいんですね。私の中で巴はあまりまばたきをしないイメージがあって。巴がたくさんまばたきをしていたら、きっと観ている方も感情が途切れてしまうと思ったんです。それで、視線を動かすときも、なるべくまばたきをしないように意識しました」
また、その翳りを帯びた瞳には、スタッフたちのアイデアがつめこまれていた。
「実はカラーコンタクトをしているんです。裸眼のところもあるんですけど、シーンや心情によって色味を変えて、目にフィルターをかけていて。
確か4色くらい使っていたと思います。そんなふうに巴を生きるための装備をつけて現場に立つと、すっと気持ちが入るというか。そうした衣装やヘアメイクの力を借りながら巴を肉付けしていきました」
剣心役の佐藤健とは撮影期間の多くを共に過ごした。有村架純の目から見た佐藤健は、どんな人物だっただろうか。
「プロフェッショナルで、職人気質の方だと思いました。頭のいい方なので、自分の喋ることすべてにおいて何か見透かされるような怖さがあったんですけど。