2022年8月1日 12:00
激しい感情がぶつかり合う『血の婚礼』で、強き母を演じ、新たな安蘭けいを見せる。
客席と舞台上の間にあるベールが、ストレートプレイのほうが薄い感じがするというか。ストレートプレイは、ミュージカルのように歌で表現できない分、よりリアルに感情が届いて、物理的にも客席との距離が近い劇場が多いので、演者の息遣いまでわかるところが魅力だと思うんです。だからこそ、覚悟が必要だなとは思います。特に今回は、かなり感情をむき出しにしなければいけない作品だと思うので。ただ、私自身は舞台で出すことはまったく恥ずかしくないんですよ。去年の『オスロ』以来久々のストレートプレイですし、これだけ感情が出せるのは楽しみです。
悲しみを背負った母親役の捉え方
──今回演じられるのは、“花婿”(須賀健太)の母親役。役名も“花婿の母”ですが、婚礼の日に、“花嫁”(早見あかり)の前にいわゆる元彼の“レオナルド”(木村達成)が現れて、それぞれが運命に翻弄されていくことになります。
母親役としてむき出しにしなければいけない感情とは、どんなものになりそうでしょうか。
『血の婚礼』ソロビジュアル。息子を溺愛する“花婿の母親”を演じる
悲しみが一番大きいのかなと思います。まずは大切に育てた息子が結婚する喜びはあるんですけど。