2023年6月8日 11:30
“放浪の天才画家” 山下清の大回顧展『生誕100年 山下清展』6月24日より開催
昭和の時代に「放浪の天才画家」として知られ、懐かしい日本の原風景や名所を貼絵で表して多くの人々の心を捉えた山下清。その生誕100年を記念する大回顧展が、東京・新宿のSOMPO美術館で、6月24日(土)から9月10日(日)まで開催される。
1922年に東京・浅草で生まれた山下清は、吃音と発達障害のために周囲になじめず、昆虫採りや絵を描くことを好んだ少年だった。12歳で千葉県の養護施設「八幡学園」に入園。授業で接した「ちぎり絵」に目覚めた清は、色の階調や細部表現に工夫を凝らした独自の「貼絵」の技術を磨いていく。
東京で開催された学園の子供たちの作品展で注目を集め、美術界の重鎮だった洋画家の安井曾太郎や梅原龍三郎らに高く評価されるが、18歳で学園を出奔。32歳までの15年間にわたって、自由であると同時に過酷な放浪生活を送った。31歳のとき、新聞記事に取り上げられて一躍有名人となり、気ままな放浪が難しくなったことから、画家として身を立てようと決意。
以後は、貼絵に加え、他の画材による制作や陶磁器の絵付けなどでも独自の表現を探り続け、全国各地で展覧会を開催して人気を博したが、1971年、脳溢血により49歳の若さで亡くなった。